八重山を代表する抒情歌「とぅばらーま」の歌唱力を競う「２０２２年度とぅばらーま大会」（主催・同実行委員会）が８日夜、石垣市の新栄公園で開催された。大会には16人が出場。月の光に照らされ、各人各様の思いを乗せたとぅばらーまを美しく歌い上げ、最優秀賞には平良昌裕さん（72）＝竹富町字上原＝、優秀賞に玉代勢秀弥さん（34）＝字石垣＝と嵩本安意さん（84）＝字新川＝が選ばれた。
大会は郷土が誇る民謡の継承・発展と、観光資源となるイベントの発信が目的で、今回で76回目。会場には約８５０人（主催者発表）が来場し、各人の思いを乗せた美声に聞き入った。
最優秀賞の平良さんは２００６年から出場し、これまでに優秀賞を４度受賞している。
念願の最優秀賞に「うれしくて、うれしくて天にも昇るような気持ち。何がなんでもと取り組んでいたのでようやくゴールすることができました」と笑顔を浮かべた。
歌詞はこれまで４回優秀賞をとった歌詞と同じ歌詞で挑み「相手（彼女）の所へ行く時は千里の道でも一里の道にしか感じないが、帰り道はやはり元の千里の道に感じる」といった思いを歌い上げた。今後に向け、「島の後輩たちが民謡を好きになって（賞を取る人が）ついてきてくれれば」と期待した。
新城浩健審査委員長は講評で①スマムニが十分に使われているか②一節を一息で歌う③歌の出し―を指摘し、「出演者の皆さんには思いの丈を唄ってもらい、甲乙つけがたく、審査に大変苦労した」と出演者の歌唱をたたえた。
作詞の部で入賞した受賞者の表彰式が行われ、歴代の歌唱の部の優勝者らが歌った。大会の様子はユーチューブでもライブ配信された。