児童館整備に防衛予算検討 与党、幅広い活用求める

 石垣市は12日の市議会一般質問で、今後新たな児童館整備を進めるに当たり、財源として防衛予算である民生安定施設整備事業の活用を検討する方針を示した。与党からも、インフラ整備をはじめとする幅広い分野で防衛予算を活用するよう求める声が上がった。防衛省は来年3月までに石垣島で陸上自衛隊駐屯地を開設する。今後、市が進めるさまざまな事業で、防衛予算の存在感がいっそう増す可能性がある。

 民生安定施設整備事業は防衛施設周辺の環境整備を目的に、防衛省が自治体などを支援する高率補助事業。
 一般質問では平良秀之氏と大道夏代氏が児童館整備計画をただした。中山義隆市長は「各中学校区に一つ設置していきたい。財源確保も含め、できるだけ早い段階で整備を進めたい」と答弁した。
 児童館整備の財源について平良氏は「全国で民生安定助成事業はさまざまに活用されている。ぜひ視野に入れてほしい」と提案。市こども未来局の石垣やよい局長は「活用を検討していきたい」と応じた。小切間元樹企画部長も「防衛省事務次官からの通達の中で、児童館は(補助対象として)明示されている」と指摘した。
 一方、陸自配備に反対する野党からは「また防衛予算か」と野次が飛ぶ場面もあった。
 市は現在、新川地区の県営団地建て替えに伴って生じた余剰地で児童館の建設計画を進めており、2024年度の供用開始予定となっている。市によるとこの児童館整備に関しては、駐屯地との地域的な関係性が薄いことなどから防衛予算による補助の対象外とされ、単独事業で進める。
 この日の一般質問では、防衛予算を巡って友寄永三氏も補助対象となる事業の範囲をただした。
 小切間元樹企画部長は道路、水道、下水道、し尿処理場、ごみ処理施設といった生活インフラ施設のほか、児童養護施設、養護老人ホーム、公園、老人福祉センター、港湾施設などの整備も例示した。
 市が既に防衛予算で取り組んでいる事業としては、クリーンセンター(ごみ焼却炉)基幹改良工事、一般廃棄物最終処分場かさ上げ工事、八重山漁協の漁船保全施設改築を挙げた。
 小切間部長は防衛予算について「(駐屯地)周辺住民に対する説明会は特段行っていない」と述べ、友寄氏は説明会の開催も検討するよう求めた。

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