石垣島近海追尾、中国に抗議 尖閣海域、市が2回目調査へ 市議会

中国への抗議決議に起立して賛成する与党(手前)=17日午後、市議会

 尖閣諸島周辺海域で領海侵入した中国艦船が領海内で操業した日本漁船を石垣島近海まで追尾した問題で、石垣市議会は17日、中国への抗議決議を賛成多数で可決した。尖閣諸島周辺海域の調査委託費を盛り込んだ一般会計補正予算案も賛成多数で可決し、年内にも2回目の実態調査が行われる見通しになった。

 抗議決議では、9月30日~10月1日にかけて領海侵入した中国艦船2隻が八重山漁協所属の漁船を威嚇、石垣島近海まで執拗に追尾したと指摘。「中国政府の主張と中国海警局の艦艇の取った行動は断じて容認できるものではなく、再度、厳重に抗議する」としている。宛て先は中国の国家主席、駐日本特命全権大使。
 今回の領海侵入を「目に余る横暴」として、日本政府に対し依然とした対応で中国艦艇の排除を求める意見書も賛成多数で可決した。宛て先は首相、外相、防衛相など。抗議決議、意見書とも仲間均氏が提案した。
 採決に先立つ質疑で仲間氏は「領海侵犯は犯罪。他の国なら撃沈だ。日本の領海は日本でしっかりと守るのが毅然とした対応」と訴えた。「政府に武力攻撃を求めるのか」という野党の質問には「武力で即、攻撃という話はしていない」と答えた。
 討論で野党の花谷史郎氏は、中国艦船による今回の領海侵入について「公的機関は、これまで以上の中国側の新たな違法行為を確認していない。事を荒立て、あえて過激な対応を求めるのはまずい」と決議に反対。
 砥板芳行氏は「尖閣諸島を抱える石垣市だからこそ感情的にならず、理性的に領有権の正当性を国際社会に訴えることが重要だ」と強調した。その上で中国艦船の無害通航権、日中首脳による2014年の「4項目合意」などに言及し「決議には不適切な文面がある」と指摘した。
 内原英聡氏は、意見書の「領海侵犯」という言葉について「行政用語ではない。大臣は意見書を受け取らない」と主張した。
 与党の友寄永三氏は「決議は事実なので賛成」、与党側中立会派の箕底用一氏は「仲間市議は漁民としても尖閣の現状を把握している」と反論した。
 抗議決議、意見書の採決では与党、中立の13人が賛成、野党の8人が反対した。
 石垣市が予定する尖閣周辺海域での調査を巡っては、野党の長浜信夫氏が補正予算案から調査委託費委託費2750万円を削除する修正案を動議で提案したが、8対13の賛成少数で否決された。市が尖閣海域で実態調査を行うのは今年1月以来となる。

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