石垣市とカーシェアプラットフォーム「Anyca(エニカ)」を運営する株式会社DeNA SOMPO Mobility(馬場光代表取締役社長)=本社・東京都渋谷区=は29日午前、石垣市の地域住民が所有する車を活用し、関係人口の創出と移動に関する課題解決を目的とする包括連携協定を締結した。エニカサービスの利用促進に向けた登録サポート会や、市が所有する公用車2台の貸し出しを開始し、交通課題の解決に向けて取り組んでいく。
「エニカ」は、個人や法人が所有する車を登録し、カーシェアリングが可能となるプラットフォームアプリ。車を所有するオーナーが車を使わない間にカーシェアすることで、提示金額の65~75%を受け取ることができる。
ドライバー側にとっては、登録された豊富な車種の中から、車種や金額から希望の車を選び、乗ることができるサービス。
石垣市ではコロナ禍からの観光需要の回復に、レンタカーやタクシーの供給が追いついておらず、交通移動手段の確保に課題があった。島内の持続可能な交通移動手段の確保に向け、石垣市が同社に相談を持ち掛け、今回の提携に至った。
まずは、石垣市の公用車2台を土日祝日限定でカーシェア車両として12月3日から貸し出しを開始する。
車両はマツダビアンテが24時間6200円、日産セレナは2900円で貸し出すという。
また、地域住民向けのサポート会は12月9日午後7時半~、10日午前10時~、午後1時~の3回、大浜信泉記念館で2時間程度行われる。
同社の馬場代表は「石垣市に住まれている皆さまの車も一つの財産、資産として石垣市の発展のために使っていただけるように貢献していきたい」と意気込みを語った。
中山義隆市長は「地域の皆さんが個人間のカーシェアリングを利用しながら車の維持費の軽減や関係人口の移動問題の解決につながると確信している。ぜひご理解をいただいて利用してもらえれば」と期待した。
サービスを利用するには個人のスマートフォンに「エニカ」のアプリをダウンロードが必要。現在島内でカーシェア登録されている車は約30台という。
沖縄県では全国で最も利用されており、シェア実績がある車の共同使用料の平均受け取り金額は月5万9千円(2022年5月時点)。利用が少ない月でも4万円となっているという。