知事選の〝八重山攻防〟は佐喜真淳氏が制したが、2位の玉城デニー氏も1万票台に達した。石垣市で玉城氏は、前回2014年知事選で翁長雄志氏が獲得した8992票から2023票上積み。革新勢力に支えられた玉城氏が「保守地盤」で佐喜真氏に633票差に肉薄する戦果を挙げた。
出馬表明後、佐喜真氏は告示前と告示後の計2回、玉城氏は告示後に1回八重山入りし、それぞれ個人演説会で支持を訴えた。八重山の有権者が直接、両候補と接した機会はこの計3回だけで、当初は候補者不在の盛り上がらない選挙との見方が強かった。
しかし実際には、石垣市の投票率が5ポイント以上もアップ。玉城氏が無党派層に支持を広げ、投票率を押し上げた可能性がある。
佐喜真陣営の八重山選対は、八重山で玉城氏との差を広げ、沖縄本島の劣勢挽回に貢献するシナリオを描いていたが、逆に玉城陣営の健闘が目立つ結果に。八重山での得票トップは維持したものの〝計算違い〟の感は否めず、選挙戦略の練り直しを求められそうだ。