石垣市は10日午後、石垣市民会館で平和について考える「平和フォーラム」を開いた。石垣市内の小中高校の代表者ら約70人や一般参加があり、石垣市平和大使による感想文発表や、ドキュメンタリー映画「長崎の郵便配達」の映画上映、川瀬美香監督による講話や質疑応答などが行われた。
石垣市平和大使として八重山農林高校2年の阿次富美愛さん、石垣中1年の池城咲花さんは広島県に、宮良小6年の成底姫愛乃さん、野底小5年の町田こなはさんは長崎県にそれぞれことし8月に派遣された。
原爆が投下された両都市の平和祈念式典や原爆資料館などに参加した感想文が発表され、阿次富さんは「この世に奪われていい命はない。広島へ行き、もっとたくさんの平和を学びたいと思えるようになった。世界中のみんなが平和と笑い合える世界になってほしい。たくさんの人に笑顔と平和を伝えていきたい」と感想を述べた。
ドキュメンタリー映画「長崎の郵便配達」は女優のイザベルさんが世界中を回るジャーナリストの父が長崎で被爆した少年との物語を記した著書をもとに、父と少年との思いを紐解くドキュメンタリー。児童生徒らは真剣な表情でスクリーンを見つめていた。
監督した川瀬さんの特別講演もあり、映画の作り方やシーンの説明。登場人物のフランス人・イザベルさんとのやりとりなどを紹介した。
川瀬さんは「(被爆者が)生ききるということを知ってほしかった。戦争体験者はほとんど少なくなってしまい、なかなか触れる機会はないが、平和は皆さんの日常にある」などと呼び掛けた。
最後は参加者で川瀬監督を囲んで記念撮影が行われた。