尖閣デジタル資料館開設へ 歴史や自然の情報発信強化 石垣市

 石垣市は、尖閣諸島の歴史や自然などの情報をウェブ上で広く国内外に発信しようと「尖閣諸島デジタル資料館(仮称)」を開設する方針を固めた。現在、ユーグレナ石垣港離島ターミナルの一角に「尖閣諸島情報発信センター」を設置し、尖閣に関する資料を展示しており、デジタル資料館は、同センターの展示内容を中心にコンテンツを制作する予定。「実際に足を運べない人でも、センターの展示内容を理解できるようにしたい」(市企画政策課)と意気込む。

 尖閣諸島は石垣市の行政区域だが、中国は一方的な領土主張を続け、独自に「中国釣魚島デジタル博物館」を開設。尖閣が自国の領土であるとする根拠不明な史料を「証拠」として多言語で発信するなど、国際社会にも活発な情報戦を仕掛けている。
 日本政府は「領土・主権展示館」(東京)の内容を紹介する「デジタル展示館」を開設し、ウェブ上で「竹島コーナー」と共に「尖閣諸島コーナー」を閲覧できるようにしている。
 市のデジタル資料館は、市ホームページとは別個に構築する。国に加え、石垣市がデジタル資料館を開設することで、中国の情報戦に対抗する基盤が強化されそうだ。
 市はデジタル資料館開設に向けたプロポーザルの参加業者を11日まで募集しており、24日にはプレゼンテーションを実施。業者を選定後、今月下旬には契約を締結する。業務期間は3月31日まで。
 事業費の上限は570万円で、財源にはふるさと納税を活用する。
 尖閣諸島発信センターは2021年12月にオープン。中華民国が尖閣を日本領と認めた文書のレプリカ、尖閣諸島の3D模型(ジオラマ)、市が島々への設置を求めて製作した標柱などが展示されている。
 デジタル資料館では、こうした資料の画像に加え、市が昨年1月に実施した尖閣諸島周辺での海洋調査の結果も閲覧できるようにする。

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