五穀豊穣と地域安寧祈願 白保で伝統のカタバル馬

午前7時ごろ、伝統的な面をかぶり、馬で疾走する「カタバル」が始まった=9日朝、白保のオーセ前

 石垣市白保の種子取祭が9日朝、同地区で行われた。真謝、波照間、嘉手刈3御嶽の神司がオーセ(拝所)で五穀豊穣と地域の安寧を祈願。午前7時ごろからオーセに面する通り「ンマガミチ」を馬が駆ける「カタバル」が行われた。

 オーセの祈願には、真謝御嶽の石川ときさん、波照間御嶽の迎里三千枝さん、嘉手苅御嶽の大城美由紀さん、計3人の神司や白保公民館の前盛善宣館長たちが参加。午前6時ごろからオーセ内で祈りを捧げた。
 石川さんは「今年の豊年祭では、収穫量が増えるよう祈った。地域の繁栄と安全も願った」と振り返った。
 カタバルは、石垣島カタバル馬愛好会の馬11頭と会員によって行われた。11頭のうち3頭は与那国馬。しらほサンゴ村とオーセの間を通る「ンマガミチ」を日の出前から疾走。地区の住民が見守る中、複数回駆け巡った。
 前盛館長も騎乗し、終了後「幼い頃に乗って以来、約40年ぶりに乗った。地域の安寧と豊穣を願いたい」と話した。
 愛好会は午前6時ごろから白保公民館横の駐車スペースで乗馬の準備を進め「ンマガミチ」を駆ける前には集落内の別の通りを走っている。
 会員の新坂貫さんは「会場準備が整っており、馬も気持ちよく走っていたようだ」と話し、大泊小華さん(9)は「今回初めて見た。いろんな馬が走って楽しかった」と感想を述べた。
 「カタバル」は市内の青年たちが馬に乗り名蔵地区で駆け巡ったことが由来となり、これまで続けられてきた。時代の変化で馬を飼う家庭が減ったため、現在では愛好会が他の種子取祭も同様に馬を派遣し「カタバル」を続けている。

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