■八重山、子牛平均は58万円台に
JAおきなわ・八重山家畜市場の初セリが13日午後、同市場で行われ、子牛の平均価格は58万4316円(前年比11万5062円減)で前年を下回るスタートになった。子牛は290頭が取引され、雌子牛の最高が105万9300円、去勢子牛が166万1000円で子牛の総売り上げは1億6945万1700円。購買者数は40人だった。価格はすべて税込み。
初セリ前のセレモニーで、JAおきなわの前田典男代表理事理事長は「感染拡大防止をはかり活発なセリ市を開催できるよう取り組んでいく。肉用牛飼育の振興をしていきたい」とあいさつ。
八重山市町会会長の中山義隆石垣市長は「飼料価格の上昇などかつてない厳しい状況にあるが、多数出品いただける生産農家、購買者に感謝している。今後とも経営安定に向けた諸施策を展開し、肉用牛生産地としての整備を構築していきたい」と抱負を述べた。県農林水産部の崎原盛充部長(代読・前門尚美県農業振興統括監)もあいさつし、糸数健一与那国町長の発声で乾杯した。
初セリでは前田理事長、中山市長、前泊正人竹富町長、糸数町長、前門統括監がそれぞれ牛のたずなを引いた。
成牛・無登録・経産牛を含めたセリ市全体では358頭が売却され、平均価格は51万9547円、総売り上げは1億8599万7900円だった。多頭購買者、年間最高額購買者の表彰式もあった。
■黒島、最高額は約144万円
黒島家畜セリ市場で13日午前、2023年の初セリが行われ、162頭の子牛、肉用牛が出品された。平均価格は雌子牛が50万704円、去勢子牛が57万9272円で、昨年を10万円以上下回るやや厳しいスタートとなったが、ほとんどの牛が競り落とされた。最高額は144万5400円。
昨年、鹿児島県で行われた全国和牛能力共進会で、黒島の下地牧場で育った「しもじ51」が、種牛2区の部門で沖縄県勢過去最高となる優等4席(4位)に入った。これを受け、セリに先立ちあいさつした竹富町の前泊正人町長は「関係機関に対し改めて喜びを表明したい。今後も積極的に繁殖をすすめて、品種改良を促進する」と強調。黒島産牛の価値をさらに上げる一年にするために「生産者の意見を聞きつつ、畜産行政を運営していく」と述べた。
黒島肉用牛生産組合の那根真組合長は「肥料、飼料価格が2倍近くになり、畜産農家にとっては厳しい時期が続く」と指摘する一方で、県と政府の補助金が給付される予定があることなどから「見通しは明るい」と述べた。