【金波銀波】米国民主主義の底堅さは……

米国民主主義の底堅さは、時代の要求に応えるように次々とニューヒーローが誕生することだ。イラクなどで戦争疲れした国民の前に「核なき世界」の理想を掲げた若きオバマ氏が出現。既成政治への不満が高まると「アメリカ・ファースト」を本音で語る老獪なトランプ氏が急浮上した。いずれも少し前まで、有力な大統領候補とは誰も思わなかった人物だ◆日本でも戦国時代には信長・秀吉・家康、幕末から明治維新には薩長などの志士が登場し、国家を立て直した。いざという時、必要な人材を生み出す力こそ「国力」なのだろう◆かえりみて現在の日本では「ヒーロー」不在が久しい。代わりに、今までの常識では考えられない奇妙な政治家がブレイクしている。ユーチューブで芸能人のスキャンダルを暴露し、知名度を上げた「ガーシー」こと東谷義和氏など、その代表格か◆参院選で初当選以来、ドバイに滞在したまま一度も登院せず、批判する他党を「アホ」と罵倒。政治活動ゼロのまま、毎月約130万円の歳費などを受け取っているという◆内憂外患の日本だが、時代の波に乗った政治家と言えば、彼くらいしか思いつかない。ひょっとしてガーシー氏こそ、時代の要求が生んだニューヒーローなのか。そうなら日本の政治も、日本という国そのものも、かなり危うい気がする。

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