【金波銀波】「命の重み」という言葉が頭に浮かんだ。…

 「命の重み」という言葉が頭に浮かんだ。1日に埼玉県の中学校で起きた刃傷事件。殺人未遂で逮捕された17歳少年は「幼いころから人を殺したかった」「無差別殺人に興味があった」と供述しているという。幸い死者は出なかったが、命を軽んじる態度に戦慄する◆かつて「命は鴻毛(こうもう)より軽し」と言われた時代があった。主君や名誉のためなら、命など鳥の羽毛程度の軽さしかない。それもその時代の真実だったが、日本人は命や人権に対する考え方を営々と積み上げ、ついに現在「命は地球より重い」と結論づけた。石垣市の健康福祉センターにも、そう刻まれた碑が建っている◆命を粗末に扱うことは、歴史に対する冒とくでもある。その意味でも快楽殺人は許せない。だが「人を殺したい」という衝動を持つ人間が常に存在することも事実だ。要するに病気である◆今回の事件もそうだったが、こうした病者が狙うのは、決まって子どもや女性など、自分より弱い者ばかりだ。この卑怯さも腹立たしい◆今回の容疑者は、切断したネコの死骸を学校などに放置した事件への関与もほのめかしている。石垣でも、過去にネコの切断事件があった。病者が殺人衝動をエスカレートさせる前兆は確かに存在する。見逃してはならない。

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