医療費、高校卒業まで無料化 条例可決、4月スタート 石垣市

高校卒業までの医療費無料化を盛り込んだ条例を可決した市議会3月定例会の本会議=6日午前

 開会中の石垣市議会(我喜屋隆次議長)3月定例会は6日の本会議で、こども医療費の無料化対象を現在の中学卒業から高校卒業までに引き上げる「こども医療費助成条例」の一部改正案を全会一致で可決した。スタートは4月1日。市単独の助成拡大で、年間約2000万円の財政負担増となる。中山義隆市長は、県も将来的には無料化拡大に踏み切るとの見通しを示したが「先行し、市の全額負担でも実施すべきと判断した」と述べた。

 市こども家庭課によると、市のこども医療費助成は入院費、通院費ともに適用される。現在、中学卒業までは保護者の窓口負担がない「現物給付」だが、庁内システムの改修に時間がかかっており、高校生に関しては、8月ごろまでは保護者がいったん医療費を立て替える「児童償還方式」となる見通しという。
 県内では中学卒業までの医療費が無料化されており、費用は県と各自治体が半額ずつ負担している。無料化を高校卒業まで拡大するかは各自治体の判断となっており、現時点で県内では浦添市、北谷町、南風原町が実施しているという。
 中山市長は市議会で「市長会で11市の市長と会って確認したが、18歳までの医療費無料化は人口によって負担の割合が大きくなるので、なかなか踏み出せていない」と他市の動向を報告した。
 石垣市独自の助成拡大に向け、市の財政負担を減らすため、県に費用の半額負担を要請したが、県は「市町村が単独で助成を拡大する場合は、県は費用を負担できない」として応じなかったという。
 ただ県は、各自治体に対し高校卒業までの医療費無料化に関するに関するアンケート調査を実施しており、中山市長は全県規模での助成拡大について「ここ2~3年では実施されるという感触を得ている」と指摘した。
 市は今議会で、高校卒業までの医療費無料化を盛り込んだ約1億8560万円のこども医療費の予算案も提案している。

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