【金波銀波】陸上自衛隊石垣駐屯地の開設が…

 陸上自衛隊石垣駐屯地の開設が目前に迫った。隊員約570人とその家族は新たな市民となる。心から歓迎したい◆20年前までは八重山でも自衛隊に対する複雑な住民感情があった。当時の市政は海自艦の石垣入港を拒否し、隊員たちはタグボートで上陸。港で待ち構えていた市民団体が「帰れ」などと罵声を浴びせた。うつむきながら黙々と歩いて行った隊員たちの表情が思い浮かぶ◆あれから多くの出来事があった。震災では自衛隊員が献身的な働きを見せ、特に若い世代にとって自衛隊は身近で頼れる存在になった◆八重山周辺では、石垣市の行政区域である尖閣諸島周辺で中国が執拗な挑発行動を続け、領土を奪うため武力行使さえ辞さない姿勢を示している。多くの市民が「平和は『平和外交』だけでは守れない」と実感した◆現在では八重山に限らず、多くの県民が自衛隊の存在を受け入れており、世代交代もその傾向に拍車を掛けている。八重山の若者たちがさらに育てば、陸自配備の反対運動も、いずれ跡形もなく消えていくことだろう◆そのためにも、市民は隊員や家族を温かく迎え入れる心構えが必要だ。一方、隊員には島の一員となる覚悟を求めたい。強固な信頼関係は、相互の努力があってこそ築けるからだ。

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