副市長人事、賛成少数で否決 事前調整なく野党、中立反発 石垣市議会

知念氏の副市長選任に起立して賛成する与党(奥)と、着席したままの野党、中立=20日午後、市議会

 石垣市議会(我喜屋隆次議長)3月定例会の最終本会議が20日開かれ、中山義隆市長は3月末に任期満了で退任する川満誠一副市長の後任に建設部長の知念永一郎氏(59)を充てる人事案件を提案したが、賛成少数で否決された。事前に調整がなかったとして野党と中立会派「未来」が反発した。川満氏の退任後、副市長職は当面空席となる可能性が出てきた。

 この日の開会前、市議に配布された議事日程には副市長の人事案件はなく、閉会直前に中山市長が提案した。
 直後に開かれた議会運営委員会では、人事案件の提案が閉会直前にずれ込んだことを受け、未来会派の後上里厚司氏が「副市長人事は非常に大事な議案だ。議員軽視も甚だしい。絶対に認められない」と中山市長を批判。
 野党の宮良操氏も「通常、人事案件は当日の議事日程に載る。こんな動議のような提案は今までにない」と疑問視した。長浜信夫氏も「議会に対する誠実さが欠けている」と追及した。
 翁長致純総務部長は、「ギリギリまで調整があり遅れた」と釈明した。
 副市長人事の採決では、与党10人が賛成、野党と未来会派2人の11人が反対した。
 与党市議によると、知念氏の副市長起用は与党も提案直前に知らされたという。「市長に他意はなかったが、秘密を徹底するために根回しが不足していたのかも知れない」との見方を示した。
 知念氏は現職の部長で、3月末に定年退職する。中山市長が副市長の内部起用を市議会に提案したのは初めて。
 中山市長は今後、副市長の人事案件を市議会に再提案すると見られるが、時期が4月以降にずれ込んだ場合、新年度は副市長不在でスタートすることになる。
 川満副市長は最終本会議の議場で退任あいさつし「4月以降は沖縄本島に戻り、石垣、八重山の限りない発展を心から祈りたい」と述べた。
 川満氏は県の企画部長などを歴任し、2019年4月に石垣市第4代副市長に就任した。

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