空港延長と港湾整備要請 糸数与那国町長、県は難色 

県企画部の金城敦部長(左から2人目)、土木建築部の前川智宏部長(同1人目)に要請書を手渡す糸数町長(同3人目)、大浜一郎県議=17日、県庁

 与那国町の糸数健一町長は17日、県庁を訪れ、与那国空港の滑走路延長と比川地区の新港湾整備を求める要請書を提出した。県側は金城敦企画部長と前川智宏土木建築部長が対応したが、滑走路延長、港湾整備共に「実現は難しい」などと難色を示した。

 糸数氏は空港滑走路延長について「500㍍延長できる用地はある。与那国路線はRAC(琉球エアーコミューター)便が飛んでおり、ドル箱路線」と指摘。クルーズ船が接岸できる新港湾についても「開港が必要だ。港湾整備と同時に船が出入りできるよう配慮をお願いしたい」と要望した。
 前川部長は滑走路延長について「現状、500㍍の拡張が必要な需要がない」と指摘。航空会社と改めて検討するとした。新港湾の整備については「人流・物流の将来的な予測も判断材料。自然環境への影響もある。さまざまな課題の検討が必要。実現は難しい」と述べ、祖納港の改修事業の進ちょくを確認後、検討するとした。
 糸数氏は花蓮市との交流促進が与那国町の発展につがるとして「毎日のように往来し交流できるよう、最低限のインフラ整備をやってほしい」と力を込めた。台湾有事の可能性にも言及し、インフラ整備が必要との認識を示した。
 台湾との定期船就航にも協力を求め、金城部長は「交流規模の拡大は重要。必要があれば一緒に取り組みたい」と応じた。
 同席した大浜一郎県議は「国境の島々への施策について議論が必要。国にも伝えていきたい」と述べた。
 要請後、糸数氏は取材に「町の積年の課題であり、早期に県に要請したいと思っていたが、ようやく叶った。玉城デニー知事や副知事に直接対応してもらいたかったが、要請を受けてもらっただけでも良かった」と話した。

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