保安検査 人手不足深刻化 石垣空港、路線維持に暗雲

にぎわう新石垣空港=2022年12月20日(資料写真)

 南ぬ島石垣空港で保安検査業務のスタッフが深刻な人手不足に陥り、国際線定期便再開や国内線の円滑な維持が危ぶまれている状況であることが分かった。アフターコロナで観光需要は順調な回復が見込まれるが、現状のままだと受け入れ態勢に穴が開きかねず、関係者は危機感を募らせている。

 同空港の保安業務を請け負っている株式会社全日警は全国10カ所の空港で業務を展開し、昨年4月に同空港に進出した。コロナ禍が収束に向かい、全国で空港業務が活発化する中、同空港で保安業務に従事する30人のうち20人は羽田、中部、関西国際空港、広島、大分からの応援の人員でやりくりしている。
 同社警務本部空港保安部保安課の圓城寺浩朗課長は「コロナ後の人手不足の深刻さは、これまでとは明らかに違う」と指摘。業界全体で人手不足が顕著で、羽田空港では「行列ができても人が増やせない」「保安検査業務の対応ができない」というこれまでに例のない事態が発生しているという。
 同空港国内線の保安検査業務を継続していくことについて「人がいなければ仕事ができないのは自明の理。継続的な事業は人がいないと成り立たない」として危機感を募らせている。
 コロナ禍前に就航していた香港の格安航空会社(LCC)の香港エクスプレスは夏季の運航再開を計画していたが、6日付けで全便欠航の決定をホームページで発表。「現地関係機関と確認を行ってきたが、石垣空港では国際線運航の再開ができない状況が続いている」と説明しており、空港の保安検査業務の人手不足が影響していると見られる。
 国際線の再開に向けた人材確保について圓城寺課長は「まずは国内線に人を固めて、業務を維持していくことを大前提にしないといけない。国際線だけ人を集めてということはできない」と話した。
 同社と共に保安検査業務を受託している八重山ビル管理株式会社は現在19人のスタッフで業務に対応。3月24日時点で正社員、正社員以外含め計7人の求人を募集しているが、不足が顕著となっているという。
 石垣空港ターミナルビル㈱の大濵達也代表取締役社長は「空港ターミナル社も石垣市と一緒になって、どうにか現状を乗り切るために危機感を共有し、取り組んでいる」と現状打開を模索する考えを示した。
 保安検査業務の人員確保に向け、石垣市と八重山公共職業安定所も動き出した。18日には両者が共催で「保安業務のお仕事説明会」説明会を開催し、約30人が参加した。

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