竹富町議会(大久研一議長)の臨時会が25日開かれ、前泊正人町長は副町長に元県職員の山城秀史氏(63)=那覇市=を充てる人事を提案、全会一致で可決された。今年度に入って続いていた副町長不在が解消される。山城氏は町が行っていた副町長公募には参加していない。前泊町長は議会閉会後、報道陣の取材に「副町長不在が町民サービスの低下にならないよう職員一丸となって取り組んできたが、不在が解消されるのは町民のためにも良かった」と述べた。
山城氏は那覇市出身。琉球大卒業後、1982年に県庁に採用され、県教育庁教育管理統括監、子ども生活福祉部子ども福祉統括監、八重山事務所長などを歴任した。定年退職後は沖縄女子短大総務課長などを務めた。現職は同短大参与。竹富町とは、妻が新城島出身という縁がある。
町議会では人事案件の採決に当たり、野党が質疑を要求。宜間正八政策調整監は人選の理由について「長い間県職員という立場にあり、さまざまなコネクションに期待している」と説明した。
野党の山下義雄氏は、町が副町長を公募したにもかかわらず、最終的に公募以外からの人選となったことについて「経過が町民に理解されていない。公募は失敗だったという認識か」と批判。田代仁総務課長は、「決して失敗ではなかった」と理解を求めた。
町によると、山城氏の副町長就任は5月以降になる見込み。
臨時会では、専決処分4件と固定資産評価員に新城賢良税務課長を充てる人事案件も全会一致で可決された。