西表島交通株式会社（玉盛雅治代表取締役社長）は、島内で運行する路線バスでクレジットカードなどを使ったタッチ決済ができるシステムを導入し、27日、西表島で報道各社を招いたデモンストレーションを行った。国内の離島地域でクレジットカードによるタッチ決済の導入は初めて。地域住民や観光客の利便性向上が期待される。
タッチ決済は対応するクレジットカードやスマートフォンを乗降時に専用機器にかざすだけで支払いが可能になる。同社が運行する路線バス４台すべてに専用機器を設置し、決済システムは三井住友カードが提供する公共交通機関向けソリューション「ステラトランジット」を活用。Ｖｉｓａ（ビザ）、ＪＣＢ（ジェーシービー）、アメリカン・エキスプレス、ダイナース、ディスカバーの５社ブランドが使用可能となった。
西表島交通によると、２０１７年８月に琉球銀行のカード決済端末を路線バスに導入したが、西表島の電波状況が悪く、利用率が伸び悩んでいた。
今回のタッチ決済導入は電波状況に関わらず利用できるため、地域住民の利用率向上やインバウンドの観光客にも使われることが期待されているという。
玉盛社長は「地域生活に欠かせない路線バスを気軽に乗れる路線バスにしようと取り組んできた。離島は何かと不便だが、少しでも快適に変えたいと思っている。西表島のさまざまな場面で決済システムが広がっていければ」と語った。
参加した内閣府沖縄総合事務局の星明彦運輸部長は「西表島から先端的な取り組みが始まり、お客さまを招き入れる環境が整えられることは大変すばらしいこと。日本円を持ってなくても乗車できることは非常に大きなメリットになる」と強調した。
発表会後はタッチ決済のデモンストレーションが行われ、ことし２月から導入された大型電気（ＥＶ）バスで由布島までのデモ運行もあった。