【金波銀波】就任後初めて記者会見した呉江浩・中国大使の…

 就任後初めて記者会見した呉江浩・中国大使の発言には驚いた。日本国内で広がっている「台湾有事は日本有事」という認識を批判し「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」と威嚇したのだ。今やアジアの超大国に成長した中国が、日本に対し、これほどあからさまに軍事的威圧を加えてくる時代になった◆昨年8月、中国が日本のEEZ(排他的経済水域)を含む波照間島や与那国島の周辺海域に、弾道ミサイルを撃ち込んだことは記憶に新しい。近くには尖閣諸島もある。台湾周辺で紛争が起きた際、中国が真っ先に「火の海」にしようとしているのは八重山なのだろうか◆国際社会では、中国や北朝鮮のように国民の人権を弾圧し、他国に対し、自国の主張を武力で通そうとする勢力がじわじわ台頭している。ロシアのウクライナ侵攻を見ても、21世紀が民主主義国家にとって厳しい時代になることが予想できる◆私たちは平和な毎日を空気や水の存在と同じように当然だと考えてきたが、世界の空気は一世代前とはがらりと変わった◆呉大使は日中関係について「重大な岐路に立っている」と警告した。日中関係はともかく、私たち離島住民の未来が重大な岐路に立っているのは間違いない。「泰平の世は終わった」と考えるべきだ。

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