竹富町役場内簡易宿泊施設ツマベニは16日で1周年を迎える。町から委託管理を請け負うプラス合同会社(真謝永二代表社員)は宿泊者数を発表し、2022年度(2022年5月16日~23年3月末)の宿泊者数は2492人で、町民の割合は2479人の99・47%に上った。オープンした5月を除き、月の平均利用者数は240・4人だった。
同施設は竹富町役場石垣庁舎の開設にあわせて町役場4階の区画にオープン。部屋はシングル、ツイン、和室で町民は2750円~3300円、子ども(小中学生)は一律550円。町民以外の一般料金は倍の値段となっている。
利用者からは船が欠航になってもキャンセル料が無料だったり、部屋に備え付けの冷蔵庫は石垣市で買い物をする町民のために普通のホテルよりも大きい冷蔵庫を備え付けるなどの配慮もされ、好評を得ているという。
検診で石垣市を訪れる妊婦などには、原則1カ月後までの予約受け付けを例外的に1カ月後でも受け付けできるようにするなど、町民に寄り添った運営を続けている。
ただ、22年度は初期費用や物価高騰の影響がありながらも料金を据え置き、高い稼働率でありながら赤字の状況が続いているという。
スタッフは清掃から受付など、4人で対応している。施設責任者の真謝美帆さん(25)は「たくさんの町民の方に泊まっていただき、ほぼ毎日満室の予約をいただいている。私も町民の一人で声を掛けてくれるのはうれしい。町民の皆さんのためにこれからもずっと運営していく気持ちはぶれずにやっていきたい」と抱負を述べた。
石垣市で小中学校の大会のある日だと、予約が重なって取り合いになるといい、「できたら場所も増やしたい。将来的には子どもは無料で泊まれるようにできたら。子どもが育てば島も明るくなると思うので子どもに寄り添った運営もしていきたい」と意気込んだ。