副市長人事 再び否決 石垣市長「知念氏適任」再々提案も 臨時議会

副市長人事に起立して賛成する与党と、着席したままの野党、中立=22日午前、市議会

石垣市議会(我喜屋隆次議長)の臨時会が22日開かれ、中山義隆市長は前建設部長の知念永一郎氏(60)を副市長に選任する人事案件を提案したが、賛成少数で否決された。知念氏の副市長選任が否決されたのは3月定例会に続き2度目。野党と中立が反対の姿勢を崩さなかった。中山市長は議会閉会後、報道陣の取材に「(知念氏は)行政経験が長く、適任だと思っている」と述べ、知念氏の再々提案を視野に、6月定例会に向け副市長人事を検討する考えを示した。

3月定例会では最終本会議で副市長人事が提案され、中立会派「未来」が唐突だと反発した経緯がある。今回、市当局は臨時会に先立ち、19日の議会運営委員会で副市長人事を提案する方針を説明した。
しかし臨時会での採決では野党、中立会派「未来」、中立の仲嶺忠師氏が3月定例会同様に反対に回り、副市長人事は賛成10、反対11で否決された。
閉会後、「未来」の箕底用一氏は取材に、副市長人事は事前の調整が不足しているとして「市長は与党とだけ調整すればいいと勘違いしているように見える。根回しがないのは残念だ」と批判した。「未来」の後上里厚司氏、仲嶺氏も同じ考えで反対に回ったとした。
野党連絡協議会の花谷史郎会長は、知念氏が市職員時代、常任委員会で「議会の在り方について中傷するような発言があった」と人事に反対した理由を説明。野党の砥板芳行氏は「可決が見通せない人事案件の採決を強行するのは、議会軽視も甚だしい」と糾弾した。
中山市長は、野党や中立から「調整不足」の声が出ていることについて「今回は事前に議会運営委員会で説明しているので、反対する理由はないと思っている。なぜ反対したのか、否決する理由を言ってもらわないといけない」と疑問視した。
与党連絡協議会の長山家康会長は、野党の主張について「知念氏に人事を否決するほどの重大な発言があったのかは、分かりかねる。揚げ足を取るような反対理由では、市民の利益にならない」と指摘。中立議員の対応に関しては「何をもって調整不足と言っているのか分からない」と話した。

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