日本のはるか南、太平洋のカロリン諸島で20日発生した台風2号が、最強クラスに発達して八重山地方を直撃する恐れが出ている。5月に八重山に接近した台風としては過去に例がない強さになりそう。予報が変わる可能性もあるが、週末から週明けにかけて影響が懸念され、石垣島地方気象台では、早めの備えと台風情報の確認を呼び掛ける。
気象庁の台風情報によると、台風2号は23日午後6時現在、マリアナ諸島を北北西へ毎時15㌔の速度で進んでいる。中心気圧は935ヘクトパスカル、「非常に強い」勢力で、中心付近の最大風速50㍍、最大瞬間風速70㍍。
24日午後6時には進路を北西に変え、中心気圧は910ヘクトパスカル、中心付近の最大風速55㍍、瞬間最大風速は80㍍の「猛烈な」強さに発達する予想だ。
26日午後3時には、フィリピンの東へ達し、西へ20㌔の速度で進む。27日午後3時には西へ25㌔で進み、中心気圧は900ヘクトパスカルまで発達する。最大風速は60㍍、最大瞬間風速は85㍍で、「猛烈な」勢力を維持する予想だ。
台風情報の発表は5日(120時間)先までのため、以降の予報はまだ発表されていないが、台風の中心が到達すると予想される予報円の外側にある暴風警戒域は、八重山地方に200㌔前後まで迫っている。
このまま進行方向が大きく変わらなければ、週末から週明けにも八重山地方が大きな影響を受ける恐れがある。
石垣島地方気象台によると、記録が残る1976年以降、5月に八重山地方に台風が「猛烈な」強さで接近した例はなく、5月に900ヘクトパスカルまで発達した台風が接近した例もない。「現時点では予想が変わる可能性もあり、接近するときの勢力も明確ではないが、5月としては珍しい強さの台風であり、充分な警戒は必要」と注意を喚起している。
同気象台のホームページでは、台風接近への備えとして、大雨、風が強くなる前に窓や雨戸の補強、排水口の清掃、懐中電灯など非常用品の点検、避難場所、避難経路の確認、気象台が発表する台風情報の入手、不要な外出を控え、危険な場所には近づかない、などの対策を示している。