【金波銀波】地方議会は議員のなり手…

 地方議会は議員のなり手不足に悩まされている。議会の意思決定に、多様な層の住民の声を反映させていくには、議員にも多様な人材が求められる。40代半ばの働き盛り、本土からの移住者という阪口源太議員に無投票当選とはいえ、大きな期待が寄せられたのだろう。それを本人がどこまで感じていたか▼妻への暴行罪で略式起訴された阪口議員には、与那国町議会で辞職勧告決議案が賛成多数で可決された。取材に対し、阪口議員は「無視する」。辞職勧告決議案に法的拘束力はない。居座ることはルールに基づいた正当な行為である。予想もしていた。しかし、有権者、島関係者への謝罪の言葉がていねいに語られなかったのは残念だ▼個人へのいわれのない誹謗中傷に対してなら、「無視」は毅然とした態度だ。だが、議会の決議案に対して使うワードだろうか。家庭内のことだから、と事実を矮小化できるものでもあるまい。「議会軽視」の言動に、同僚議員からも厳しい声が発せられるか注目したが、3人が決議案に反対したことには驚いた。その理由が「夫婦間の問題であり、他の議員が関与すべきではない」という▼身近な人への暴力は、発覚しにくいだけに卑劣な犯行だ。同僚議員には夫婦げんかの仲裁を求められているのではない。公人には、他人の目が届かないところでも品位ある行動が求められる。採決で問われたのはその点だろう。中国、北朝鮮の脅威が増す国境の島の議員には、緊迫感をもって臨んでもらいたい。

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