PAC3「港湾の安全は確保」 石垣市長、南ぬ浜町からの移動否定

南ぬ浜町に展開されているPAC3=8日午後、南ぬ浜町

全日本港湾労働組合沖縄地方本部(全港湾)が、南ぬ浜町への地対空誘導弾パトリオット(PAC3)展開を理由に港湾作業員の組合員約50人に自宅待機の指示を検討していることを巡り、中山義隆市長は8日夕、報道陣の取材に応じた。「(PAC3と)港湾の距離は保たれていて、安全面は確保されていると聞いている。防衛省側から説明してくれれば良い」と述べた。
同日午後には、沖縄防衛局の濱和彦企画部長らが市役所を訪れ、中山市長と面会した。中山市長は報道陣に「人事異動の話だった」と説明したが、南ぬ浜町に展開しているPAC3に関する説明も受けたという。
全港湾は市に対し、南ぬ浜町からのPAC3撤収を働きかけるよう求めている。中山市長は「現在、適当な場所は島内に用意されていないので、現在の展開地(南ぬ浜町)から移動するということはない」と述べた。
中山市長によると、PAC3の展開場所としては南ぬ浜町のほかに、旧石垣空港跡地も配備候補地だったという。ただ旧空港跡地への展開は時間がかかることと、部隊展開の期限である5月31日から6月11日の間には、南ぬ浜町クルーズバースへのクルーズ船寄港が予定されていないことから、南ぬ浜町使用の許可を出した。
北朝鮮ミサイルの「破壊措置命令」が11日以降も継続される可能性について中山市長は「まだ決定していないので、何とも言えない。今月22日にクルーズ船がクルーズバースに寄港する予定があるので、状況を見ながら判断したい」と述べるにとどめた。

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