与那国町が町立診療所(祖納)に勤務する医師を現在の1人から2人に増員し、医療体制を強化したことが14日までに分かった。町は公益社団法人・地域医療振興協会の支援を受け、医師1人を診療所に常駐させており、今月から増員した。
同協会の担当者は「2人体制にするため、町と調整し準備を進めてきた。今月から本格的に2人の医師が常駐できる」と説明。学会出席などで一時的に医師が島外に出る場合でも、指定病院から代わりの医師が派遣されるため、常時2人体制を維持できるという。
9日の町議会6月定例会一般質問で嵩西茂則氏に対し、譜久嶺弘幸副町長は「診療所の所長から『医師1人で日常の診療を行うのは、厳しい』と相談を受けた」と明かし、2人体制への増員を検討していると報告。
町が同協会から医師の派遣を受けるのは今年で11年目になり、譜久嶺副町長は「今後も安定した医療体制を続けてほしい」と要望した。
同協会の支援を受ける前には診療所の運営経費として7~9000万円を支出していたが、現在は約3400万円の計上にとどまっており、支援を受けて現在は経費を減額できているとした。
町議会は6月定例会で、祖納にある町有地計362・76平方メートルを同協会に無償で貸与する議案を可決した。同協会は貸し付けを受ける町有地に医師や看護師が住む住宅を建築する予定。貸与期限は7月からとなっている。