「日本は米中対立の前線」 松永陸自15旅団長が講演

登壇した松永氏=28日夜、ホテルミヤヒラ

八重山防衛協会の定期総会が28日、石垣市内のホテルで開かれ、陸上自衛隊第15旅団の松永浩二旅団長が公演。中国・北朝鮮の脅威や国際情勢、最近の防衛政策、国民保護などを解説した。冷戦終了後の中国の軍拡について「日本は米中対立のフロントライン(前線)だ。地政学的に逃げられない位置にある」と指摘。中国の脅威に備える必要があると強調した。
松永氏は、中国が大量に中距離弾道ミサイルを保有している現状を指摘。米国は冷戦時の条約で削減し再び保有を目指すが、現在は中国との差が開いているという。
中国が日本列島から台湾、フィリピン、マレーシア以南まで続く「第一列島線」の西側を内海にしようとしており、既に南シナ海の軍事拠点化を進めていると警鐘を鳴らした。
今世紀前半までは軍事的に中国が有利な状態が続き、中国が台湾有事を引き起こす可能性があると危ぐした。
ロシアによるウクライナ侵攻にも言及。ロシアが核兵器をウクライナで使い、国際社会が反応しなかった場合、「北朝鮮が日本周辺で核を使用する可能性がある」とした。
石垣島への自衛隊配備については「国民保護を担うため、八重山で部隊を作った」と説明。ただ、自衛隊は侵略の排除が主目的であるため「自衛隊だけで全部できるわけではない」と述べ、有事の際、自治体やインフラ事業者が担う役割の明確化を求めた。
陸自には今後、輸送艇を運用する部隊ができると紹介。有事の際は与那国島などで人員輸送に使う可能性があるとした。

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