泉大津市に農作物販売へ 協定締結、農家収入安定化期待 石垣市

石垣市と泉大津市の農業連携協定締結式が開かれた=5日、石垣市役所

 石垣市と大阪府泉大津市は5日午後、市役所で石垣市の農作物を安定的に泉大津市に供給する農業連携協定を結んだ。石垣市は安定的に農作物を販売することで、農家の収入安定化に寄与し、泉大津市は安定的に食料を確保できるメリットが期待される。まずは今年度から泉大津市が石垣島産玄米5㌧を購入し、学校給食に提供する予定。石垣市と自治体との農業連携協定は初めて。

 泉大津市は大阪府の泉北地域に位置する市で面積14平方㌔㍍、人口7万3千人。農業地がわずか3%しかなく、安定的な食糧の確保が課題となっていた。そこで、農山村を抱える全国の自治体と農業連携を結び、日ごろから農業従事者を支える取り組みを模索。石垣市は他の自治体と収穫時期が異なる超早場米が収穫でき、備蓄の観点からも連携には有益な点が多いという。
 石垣市では農業従事者の高齢化と作付面積が減少している現状がある。協定締結式で中山義隆市長は「両市が持つリソースを有効活用し、地域課題解決や活性化につなげていく。(今後は)水稲だけでなく、石垣牛、パインマンゴーなど良い関係を築き、連携を広げていければ」と強調した。
 泉大津市の南出賢一市長は「顔と心でつながる関係のサプライチェーン構築に向け、仕入れできる体制にチャレンジしていきたい。共存共栄の関係づくりができれば」と抱負を述べた。
 協定書の調印式に出席したJAおきなわ八重山地区水稲生産部会の翁長考夫部会長は「複数の自治体と連携し、自らの市民の食を確保する取り組みは全国的にも素晴らしい」と評価し、所得の安定化や担い手育成に期待した。

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