松野博一官房長官は22日、石垣市を訪れ、中山義隆市長と面談した。中国の武力攻撃を念頭に離島住民の避難支援を表明。中山市長は空港、港湾の整備とシェルター設置などを求めた。有事の国民保護に関連して官房長官が南西諸島を訪問するのは初めて。
面談で松野長官は「日本を取り巻く安全保障環境が複雑化、不安定化しているなかで、国民保護が大きな課題」と、離島住民の避難手段確保の重要性を強調した。さらに「住民と観光客を合わせ、計6万人を島外に避難させるが、全員が避難するまでにタイムラグが生じる。数日から10日はかかる」との認識を示した。
中山市長は「離島住民の避難は空路と海路以外にない」と、空港の滑走路延長や、港湾機能の強化などインフラ整備を強く求めた。また、「市職員や医療従事者、インフラ事業者などが最後になる」として、関係者用の避難シェルターの設置などを求める要請書を手渡した。
要請書は、石垣空港の2000㍍滑走路では、大型機の頻回の離発着を考えると十分な体制とはいえないとし、住民の避難完了まで生命、身体を守るシェルター整備に関する支援を求めた。
松野長官は「避難施設の日常使用も検討すべき。維持管理もある。市と連携しアイディアを出したい」と応じた。
面談の後、石垣港新港クルーズ岸壁を視察した。
松野長官は台湾有事が起こった際、住民に被害が出る危険性が高い八重山地域を視察し、国民保護に関する意見交換を行うため、石垣島に来島した。23日に与那国島を日帰りで訪れ、町関係者と面談。24日には竹富町関係者とも面談する予定。