沖縄県を訪問中の岸田文雄首相は26日、那覇市の首里城公園内で記者団の質問に応じ、西表石垣国立公園など県内の3つの国立公園を図柄にした記念貨幣を来年夏に発行する方針を明らかにした。また、持続可能な沖縄の観光発展に向け、政府として取り組んでいく姿勢をみせた。
岸田氏によると、令和13年の国立公園制度100周年に向け、各地の国立公園を図柄にした記念貨幣シリーズを発行し、沖縄の3公園がその第一弾になるという。
岸田氏はこのほか、本島北部のやんばる国立公園を「国立公園における滞在体験の魅力向上のための先端モデル事業」の対象地域に追加すると発表。
一方で観光客の集中に伴う混乱などオーバーツーリズムの問題について、「政府として重要課題と受け止め、今秋にも対策を取りまとめたい」と述べた。
岸田氏はバスケットボールワールドカップ観戦などのため25日に来県。26日は首里城正殿の復元工事を視察した後、観光事業者との車座対話にのぞんだ。
岸田氏が「観光客数の増加だけでなく、質の向上も大事だ。課題があれば聞かせてほしい」と問いかけると、「空港など観光インフラの強化が必要」(下地芳郎・沖縄観光コンベンションビューロー会長)、「文化があってこその観光」(知念冬馬・知念紅型研究所社長)などの意見が出て、岸田氏は熱心にメモをとっていた。