石垣市は4日夜、旧市役所の跡地活用事業に関する住民説明会を市役所コミュニティルームで開いた。開発事業者となることが決まった有限会社ブルーマリン石垣共同体の担当者は、跡地に総合商業施設を建設し、年間100億円以上の売り上げを見込んでいると明らかにした。商業施設はホテル、ショッピングセンター、水族館などで構成され、300人以上を雇用する。
説明会では代表企業であるブルーマリン石垣の石垣聡代表取締役は「これが実現すれば石垣市、八重山地域ににぎわいをもたらし、貢献する施設になることを確信している」と強調した。
跡地活用事業の窓口となっている佐藤工業株式会社(本社東京)の担当者が事業内容を説明。それによると、商業施設の名称は仮称「YAEYAMA GATE(八重山ゲート)」。13階建てで、ホテルは20~58平方㍍の部屋を160~170室整備する。
ショッピングセンターには24時間営業のスーパーマーケットなどが入る予定。水族館は1~3階にかけて整備し、吹き抜けなどの工法を使い、水槽が3層に連なる設計という。
「石垣ラウンジ」と名付けられたオープンスペースには市の市民サービス窓口やジャングルカフェなどが入る。5階には300人収容の多目的ホールを置き、市民が郷土芸能などを発表する場とする。
立体駐車場を中心に、旧教育委員会敷地の平面駐車場などを合わせて約460台の駐車スペースを確保する。
敷地面積約1万510平方㍍、延べ床面積約3万4000平方㍍。2025年度以降に着工、27年10月供用開始予定となっている。
ホテル、ショッピングセンター、水族館はそれぞれ別の企業が運営する。佐藤工業の担当者は、施設全体で年間101億4000万円の売り上げ目標を示した。従業員に関してはショッピングセンター約200人のほぼ全員、ホテル70人、維持管理65人のうち「できるだけ多く」、水族館50人のうち40人を、それぞれ地元から雇用する方針とした。
建設工事は佐藤工業と地元企業2社のJVが行う。説明会には設計などを行う株式会社国建(本社那覇市)の担当者も出席。ブルーマリン石垣共同体は13社で組織するが、この3社以外は、年内に予定されている協定書の締結後に企業名を公表する。
参加者からは「八重山も人手不足で、2~300人を八重山から雇用するのは厳しいのでは」「建設に地元企業や地元からの雇用者を使ってほしい」などという意見や要望が出た。