米海軍の掃海艦パイオニア(1380㌧、乗員60人)が、7日朝に石垣新港クルーズバースに寄港する。米艦船の石垣寄港は2009年以来、14年ぶり。港湾の労働者で組織する全日本港湾労働組合(全港湾)などが座り込みなどの抗議活動を予定しており、貨物船で入荷した物資の配送遅配、荷役作業遅延など、市民生活への影響が懸念される。米軍関係者を阻止しようと実力行使に出た場合、、現場が混乱する可能性もありそうだ。抗議活動に備え、6日午前からは民間業者が高さ2㍍程度の鉄板を並べフェンスを設置。関係者以外の立ち入りを制限した。
米艦船の入港は、台湾有事に備え、日米が連携して中国の侵略的行動を抑止する意思をアピールする意義がありそうだ。
日米の関係者は6日午前、クルーズバースを訪れ、フェンスを視察した。
パイオニアの寄港から出港までの間、全港湾の抗議活動が予定されているため、運送業者は「港湾の荷役、貨物配送へ多大な影響を及ぼす」と予測。一部の業者は6日、取り引き先に理解を求める文書を送った。
国は今年3月、陸上自衛隊の石垣駐屯地に配備するミサイル(実弾)を、輸送艦「おおすみ」を使ってクルーズバースから島内に搬入している。
その際、部外者の立ち入りを禁止する目的で、前日からバースの駐車場に鉄製のフェンスを立てた。駐車場と港湾道路の接点に車両の出入口を設けたため、活動家が座り込み、一時騒然となった。
抗議活動に備え、今回も国は同じ手法を踏襲。活動家も国や市の動きを警戒しており、6日、現場を訪れて写真や動画を撮る姿が見られた。
全港湾の関係者数人は2台の車に分乗。午前中からクルーズバースの駐車場に停車し、監視を続けた。関係者によると、島外からも抗議活動のため活動家が石垣入りしており、混乱に拍車が掛かりそうだ。
2009年に米艦船が石垣港に入港した際は、抗議のため詰め掛けた労組や平和団体メンバーが港湾を封鎖強行。米軍関係者の上陸を実力阻止しようと試み、現場が大混乱に陥った。