尖閣問題抗議せず 玉城知事、中国大使と友好確認

呉大使(左)と贈り物を交換する玉城知事=6日午前、県庁

 玉城デニー知事は6日、中国の呉江浩駐日大使と県庁で面談し、中国と沖縄の友好を深める方針を確認した。県議会の赤嶺昇議長が5日、呉大使に尖閣諸島問題や沖縄周辺への弾道ミサイル発射に抗議する要望書を渡しており、玉城知事は「議長からの要望も政府に対して要望しているもので、その点を理解しながらよろしくお願いします」と議長の要望書に言及。ただ、自ら抗議はしなかった。呉大使は「意見の食い違いもあるが、しっかりと確認して平和、友好と協力に力を入れていこう」と応じた。
 玉城知事は中国と沖縄の交流の歴史に触れ、「平和的、建設的な交流が、地域の人々の信頼をさらにしっかりとしたものにしていく」と期待。中国政府による渡航ビザの緩和、団体旅行の解禁、直行便の再開に謝意を示した。
 呉大使は「中日平和友好条約締結から45周年。いろいろと複雑な事情があるが、平和的に協力していきたい。お互いの国同士が脅威にならず、協力のパートナーになる中で、沖縄ならではの特別な役割を果たしていただきたい」と期待した。
 その上で「沖縄には独特な文化、魅力がある」と述べ、習近平国家主席も沖縄に関心を持っていると伝えた。
 会談は終始、和やかな雰囲気で進んだ。玉城知事は沖縄の伝統的な織物ミンサー織を手渡し、呉大使は福建省のお茶を贈った。
 尖閣諸島を行政区域に抱える石垣市から選出された大浜一郎県議は、知事が大使との面談で尖閣問題に関して抗議しなかったことについて「考えられないこと。抗議しないのは、相手の言い分を認めたことになり、中国の宣伝活動に利用される。言うべきことは言わないと互恵関係は築けない」と批判。
 県が「地域外交」の一環として中国との友好を推進していることについて「知事には外交センスはない。そもそも、知事が外交などやるべきではない」と断じた。
 前日に行われた赤嶺議長と呉大使の面談に関しては、尖閣問題などで抗議の意思を示すよう、事前に議長に要望していたと明らかにした。

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