石垣市は、市中央運動公園野球場(市営球場)の内野スタンドに屋根を整備する方針を固めた。球場は2011年に建設されたが、客席に屋根がなく、市民から日差しや降雨の対策が不十分との指摘が上がっていた。市は12日の市議会臨時会に、屋根整備の基本設計・実施設計費約4370万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を上程。可決されれば年内にも設計作業を開始し、2024年度着工する。
都市建設課によると、屋根の必要性は長年議論されてきたが、財源確保が課題とされてきた。今回、国が県を通さず市町村を直接支援できる「沖縄振興特定事業推進費」の枠組みで補助金申請が認められ、事業化が実現した。
総事業費は約2億9200万円で、沖縄振興特定事業推進費で8割の補助を受ける。設計完了後、来年度から2年間かけて工事を行い、25年度に供用開始するスケジュール。
屋根は材料に「テフロン膜」を使用。軽量で太陽光、温度、湿度、雨などの自然環境に耐える「耐候性」が高く、汚れにも強いなどの特徴がある。
日光反射率が高いため、内部は暑くなりにくい。昼間の自然光は拡散して影ができにくいため、やわらかい雰囲気の空間づくりが可能。耐用年数は30年以上という。
市営球場の収容人数は8000人で、屋根を整備する内野スタンドには2200席が設置されている。
球場は08年からプロ野球ロッテのキャンプ地としても使用されており、ロッテをはじめ球場を使用する他球団からも屋根整備の要望が出ていたという。市は屋根の整備でキャンプの見学に訪れる観光客の利便性を向上させ、観光地としての魅力度向上も狙う。
屋根整備の基本設計・実施設計費を盛り込んだ一般会計補正予算案は13日に臨時議会で採決される。