日米訓練「住民に説明ない」 石垣市議会、抗議の意見書可決

日米共同訓練に「住民への説明がない」と抗議する意見書に起立して賛成する野党、中立=13日午後、石垣市議会

 陸上自衛隊石垣駐屯地を含む全国各地で14日から日米共同訓練「レゾリュート・ドラゴン」が始まることを受け、石垣市議会は13日の臨時会で「市民に十分かつ丁寧な説明がないまま今日に至っている」と抗議する意見書を賛成多数で可決した。住民への説明がないままの日米共同訓練は厳に慎むことも求めた。意見書は野党が提案。与党は反対したが、中立が賛成に回り、1票の僅差となった。

 意見書では、日米共同訓練を巡り、日出台演習場を置く大分県玖珠町では九州防衛局などによる住民説明会が開かれたと指摘。石垣市では説明会がなく、自治体間で国防や国民保護に関する情報格差が生じている恐れがある、と批判した。
 その上で、日米共同訓練などについて、住民に十分な説明を行うよう求めた。
 提案者の花谷史郎氏は当初、意見書に住民との合意形成がない軍事訓練を厳に慎むよう求める文言を入れていたが、中立会派「未来」の求めに応じ削除。「住民への説明がないままの日米共同訓練等」への厳に慎むよう求める文言に変えた。
 採決で与党の仲間均氏は「尖閣諸島周辺では中国が平気で領海侵犯し、尖閣は乗っ取られたと言っても過言ではない。訓練を行い、国境を隙のないよう守っていくことが使命だ」と意見書を批判。
 友寄永三氏は「軍事訓練なので、すべてをあからさまに説明はできない。情報提供は市やマスコミを通じてされている」と述べた。
 野党の砥板芳行氏は、石垣駐屯地の開設前、防衛省は日米共同訓練の可能性を否定していたと批判し「駐屯地周辺住民の不安を身にしみて感じている。防衛省、石垣市は住民に説明する必要がある」と訴えた。
 宮良操氏は「市民には知る権利がある。軍事訓練といえども情報開示することが民主主義の原点だ」と強調した。
 野党8人と中立3人の11人が賛成、与党10人が反対した。

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