注文356万円、近く出漁 尖閣アカマチ、寄付締め切り

尖閣諸島・魚釣島と周辺を航行する巡視船=2023年9月(石垣市議の仲間均氏提供)

 石垣市は、ふるさと納税の返礼品として提供を始めた「尖閣アカマチ」の注文を15日で締め切った。寄付件数は85件、寄付額合計は356万円で、アカマチ146・5㌔分の注文が入った。市は今後、八重山漁協に出漁を依頼し、同漁協所属の漁船が近く尖閣諸島周辺海域へ出漁する。
 寄付の内訳は、3万円コース(アカマチ1㌔)62件、5万円コース(同2㌔)12件、10万円コース(同5・5㌔)11件だった。
 尖閣諸島は石垣市の行政区域だが、周辺海域では、一方的に領有権を主張する中国海警局の艦船が4隻体制で常駐。領海侵入や、周辺で操業する日本漁船への威嚇を常態化させている。石垣島から尖閣周辺への出漁には燃料費などのコストも大きく、漁業者の足が遠のいている現状となっている。
 市は尖閣周辺での漁を活発化させようと、8月から尖閣アカマチをふるさと納税の返礼品に加えた。今後、冬になると海が荒れ、尖閣周辺への出漁が困難になるため、尖閣アカマチの注文は10月15日でいったん締め切った。
 八重山漁協所属の漁船は近く尖閣周辺に出漁し、寄付者に対し、年内にアカマチを発送する。市は寄付額から必要経費を八重山漁協に支払う。
 尖閣周辺では中国海警局船が漁の妨害を試みる可能性もあるため、海上保安庁の巡視船が漁船の警護に当たり、不測の事態に備える。
 寄付額が低迷した場合、出漁した漁業者が赤字に陥る可能性があったため、市はあらかじめ、赤字補てんのための予算を組んだ。だが寄付額が300万円を超え「赤字補てんを行う可能性は低くなった」(市企画政策課)としている。
 同課は今回の出漁を通じ、赤字を出さずに尖閣周辺で操業するにはどの程度の水揚げが必要かなど、出漁にかかるコストを検証したい考え。
 来春には天候が回復し、尖閣周辺への出漁が再び可能になる。ただ、ふるさと納税のピークは通常年末であることから、市は12月から、来春の出漁に向けた尖閣アカマチの注文受け付けを再開する。

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