尖閣「米国に防衛の義務」 日米連携の抑止力強調 米グリーン臨時大使代理が来島

中山市長と会談したグリーン臨時大使代理(左)=24日午前、市長応接室

 日米共同訓練「レゾリュート・ドラゴン23」の視察のため来島した在日米国大使館のレイモンド・F・グリーン臨時大使代理は24日午前、石垣市役所を訪れ、中山義隆市長と面談し、共同訓練の意義を説明した。両者は、尖閣諸島にも言及。日米安全保障条約の範囲内であることを相互に確認した。
 グリーン大使代理は「石垣島周辺海域の環境が厳しくなる中、今回の演習は日米の抑止力を示すことができる。戦争するためではなく、平和と安定を誇示するもの」と意義を訴え、市の理解に謝辞を述べた。
 中山市長は「訓練内容については事前に説明をいただき、市民生活に影響がないようにすると話があったので、感謝している」と応じた。また、自衛隊と米軍との協力は防衛面だけでなく、災害面でも必要になるとし、東日本大震災の際に米軍が行った「トモダチ作戦」を例に挙げ、「災害時などを含めた万が一に備えるため、日米の連携は必要になる。これからも防衛省と関係を強固にしていただきたい」と期待した。
 会談では、市の観光や経済状況についても話し合われ、中山市長は台湾との経済交流を盛んに行っていると紹介。グリーン大使代理は「台湾をめぐる国際状況は難しくなっているが、経済交流などで連携を強化し、孤立させないことが大事」と述べた。
 中山市長は、市の行政区域である尖閣諸島についても言及。「日本の領土として、国際的にも歴史的にも認められている尖閣諸島を守るという意味でも、国際社会でのアメリカ側の発言も必要になってくる」と協力を求めた。
 グリーン大使代理は「尖閣諸島は日米安全保障条約に入っており、アメリカは防衛の義務が明確にある」と明言。現在のウクライナ情勢は抑止力が欠けていたことで起こってしまったとし「抑止力が一番大事」と強調した。「日米で地域の平和と安定を死守しなければならない。そのためにも地元の協力が極めて大事。市民の理解が得られるように努力します」と述べた。

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