地元漁船が一時3隻 返礼品のアカマチ水揚げか 尖閣周辺

尖閣諸島の魚釣島周辺で、日本漁船に接近を図る中国海警局の艦船(写真奥)と、漁船の安全確保を図る海上保安庁の巡視船(手前)=11月3日早朝、魚釣島南西(仲間均氏提供)

 石垣市の尖閣諸島周辺で中国海警局の艦船が4日まで4日連続で領海侵入している問題で、尖閣周辺には3日の時点で、石垣島から出港した日本漁船が計3隻操業していたことが分かった。漁船のうち1隻に乗り込んでいた石垣市議の仲間均氏が明らかにした。仲間氏は他の2隻について「石垣市がふるさと納税の返礼品にしたアカマチを釣るための船ではないか」と話した。

 仲間氏によると、仲間氏、竹富町議の山下義雄氏ら3人が乗り込んだ「鶴丸」が1日早朝、石垣島から出港し、午後1時ごろ尖閣諸島・魚釣島周辺に到着。中国海警局の艦船は4隻が待ち構えており、周辺では八重山漁協に所属する漁船2隻が海上保安庁の巡視船に警護されながら操業していた。
 石垣市はふるさと納税の返礼品として、尖閣諸島周辺で釣れたアカマチを贈る取り組みを始めている。市の依頼を受けた八重山漁協が漁業者に呼び掛け、今月、返礼品を確保する目的の漁船が初めて出漁する予定になっていた。ただ中国艦船の領海侵入が始まった1日時点では、ふるさと納税を担当する市企画政策課は、漁船の出漁について「連絡は受けていない」としていた。
 仲間氏によると、鶴丸以外に尖閣周辺にいた漁船2隻は、3泊4日の日程で操業する予定と聞いているという。海保によると、領海侵入した中国艦船は漁船に近づこうとする動きを見せたが、巡視船が進路規制などを行って漁船の安全を確保した。
 また、現在の2隻とは別に、八重山漁協に所属する漁船1隻が、新たに石垣島から尖閣海域に向かったとの情報もある。
 鶴丸は3日、石垣島に引き返した。中国艦船は途中まで鶴丸を追尾し、スピーカーを通じ中国語で何か呼び掛けてきた。仲間氏は「ここは中国の領海と言っていたのだろう」と推測した。
 中国艦船と石垣島から出漁した漁船、巡視船の対峙は4日も続いている。仲間氏は「尖閣周辺で漁をする日本の漁船が増えると、中国も海警局の船を増やして対応している。我々の島は我々でしか守れない」と訴えた。

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