尖閣諸島周辺の海域で捕れた高級魚、アカマチ(ハマダイ)の定食が味わえる「尖閣食堂」が2日、石垣市のカラオケ居酒屋ドーム=美崎町11―1=でオープンする。時間は午前11時から。11月30日夜にはプレオープンイベントが行われ、市議、市幹部や関係者30人ほどが来店。アカマチの煮付けや刺身、寿司に舌鼓を打った。
沖縄を代表する美味・アカマチ。白身の味は薄く、刺身や寿司を甘口醤油で頂くと鯛に似た風味と触感を楽しめる。
煮付けは赤山力也店長が大鍋でじっくり煮込んだため、濃い味付け。沖縄の方言で「味クーター」と表現される濃厚な味わいが口の中に広がる。
同席した関係者の一人は「東京に行かなくてもおいしい魚が八重山では味わえる。東京の人はこの味を知らない」と地元の高級魚を誇った。
現役漁師の仲間均市議は大皿の煮込みを取り分けながら「『尖閣食堂』を開業しアカマチを提供する構想は30年前から始まった。やっとここまで来た」と力を込めた。「日本全国から観光客が来店し好評を得られれば」と期待した。
アカマチが捕れた尖閣諸島は、中国が領有権を一方的に主張し周辺海域では中国海警局の艦船が領海侵入を繰り返す。仲間氏は「これまで年間37隻から88隻だったが、今年アカマチ漁などで地元漁師が出漁すると120隻まで拡大した」と指摘。「国は安心安全な漁ができるよう政策を作ってほしい」と訴えた。
海保は沖縄県に拠点を置く第十一管区海上保安本部を中心に尖閣の警戒を続けており、中国側の侵入を阻んできた。
石垣市は今年度内に3回目となる尖閣沖調査を行う予定。ふるさと納税の返礼品として「尖閣アカマチ」をブランド化する計画を進める。安定した漁獲量が維持できれば、八重山の魅力を全世界にアピールできる機会となる。店舗の立地場所も飲食店が多く立ち並ぶ繁華街。観光客や地元客が頻繁に利用する場所にある。
来店した市議の1人は「多くの石垣の漁師が出漁し尖閣でアカマチを捕れる環境は整ったと思う」と期待した。