「憲法改正で自衛隊明記を」 千葉氏、責務や覚悟も語る

講演する千葉氏=3日、ANAインターコンチネンタル石垣リゾート

 八重山日報社は3日、陸上自衛隊の元陸将で北部方面総監を務めた千葉德次郎氏(70)を招いた講演会を石垣市内のホテルで開いた。千葉市は「この国は誰が守るか?」と題し、自衛官の責務や覚悟を語り、憲法改正の必要性も訴えた。約120人が来場した。
 千葉氏は岩手県出身。陸自少年工科学校、防衛大学校を経て、幹部自衛官として活躍。2011年の東日本大震災では、北海道の防衛を指揮する立場にあり、約2万人の隊員を被災地に派遣した。
 自衛隊創隊から現在までの歴史を振り返り、大規模災害やPKOなど、命の危険がある任務に隊員は派遣されてきたと強調。服務宣誓文にある「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め」を例に挙げ「理解している者は、自分から家族への手紙を書きロッカーに残す。言葉にできない最後の思いやり」と述べた。
 また、東日本大震災の当時「駐屯地がある町の町長が、派遣隊員の家族を支援するよう職員に指示した。私の要請前だった」と振り返り、協力に感謝。「自治体の支援は必要」と指摘した。
 最近の国際情勢については「平和を守るはずの常任理事国が戦争を仕掛けている。中国は国際法を無視している。国連が機能していない」と批判。平和を守る存在の自衛隊が憲法に明記されていない現状を憂い「憲法を改正して自衛官の地位と責務を明示すべき」と呼び掛けた。また、国民の国を守る義務を、中学までの義務教育で教えるべきとした。
 来場者との質疑応答では、中国の脅威について「中国は日米が北朝鮮に対応している隙を狙っている」と分析。尖閣諸島を守るため、海保だけでなく、自衛隊のプレゼンスも必要だとした。
 講演を聞いた砂川なおみさん(55)は「憲法を改正し自衛隊の存在を明記することは必要だ。早急にやるべき」と感想を語った。

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