学校敷地で「赤紙」配布 無断侵入、新日本婦人の会支部 校長「まったく聞いていない」 道路使用も許可なし

メンバーが配布した赤紙を模したビラ

 新日本婦人の会石垣支部が8日、市内の県立高校の敷地内に無許可で立ち入り、生徒に、戦時中の召集令状を模したビラを「赤紙」と称して配布した。教職員が退去を求めると応じたが、一部のメンバーは「敷地の外で配っている」などと反発し、現場は一時混乱した。

 同支部は7日、八重山記者クラブに対し、当該高校でビラ配りを行うと発表。だが学校側には一切通告しておらず、学校は敷地内での行為を許可しなかった。
 栽エツ子支部長と共産党の井上美智子市議らメンバー約10人は校門から3㍍程度入った敷地内に無断で立ち入り「赤紙(召集令状)が配られる世の中にならないように」などと呼び掛けながら、生徒に赤紙を模したビラを配布した。
 生徒が困惑していたところ、教職員が急行し「敷地外であれば構わないが、無許可で校内に入らないで。校外に出てほしい」と訴えた。
 メンバーの大半が応じたが、一部のメンバーは注意を受けても敷地内に留まり、プラカードを掲げるなど侵入を続けた。栽支部長は「校長経験者にも確認したが、許可を得る必要はないと聞いた。絶対に戦争に加担しないよう、子供たちに分かってほしいので行動している」と主張。ビラ配り自体は問題ないとの見解を示し、校門前の歩道で配布を続けた。
 無断侵入した校内で「赤紙」を配るという行動に対し、校長は取材に「まったく聞いていない話だ。主張するのは構わないが、学校としては安全管理を行う必要があり、勝手に校内に入られると困る。許可を得る必要がないというのは誤りだ」と憤った。
 また、歩道でビラ配りのような交通に影響が及ぶ可能性のある行為を実施する際は、所轄の警察署に「道路使用許可」を申請する必要があると道路交通法77条で定められており、違反した場合3カ月以下の懲役もしくは5万円以下の罰金が科されることもある。
 八重山署によると同支部から許可書の提出はなかったが、署の担当者は「通報がなく、交通に支障をきたしていない限りは、むやみに注意したり止めたりすることは難しい」と静観した。

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