自衛隊に「2種類の制服を」 共産提案、中山市長は「無駄」 石垣市議会

 12日の石垣市議会一般質問で井上美智子氏(共産)は、陸上自衛隊石垣駐屯地の自衛官が防災訓練用と軍事訓練用の2種類の制服を着ることを提案した。「自衛隊が迷彩服で訓練していると、軍事訓練なのか防災訓練なのか分からない場合がある」と理由を説明した。中山義隆市長は「(災害の際)救助を待つ人のことを考えると、自衛隊が『これを着ていると軍事訓練だと思われる』と色の違う迷彩服に着替えに行くことは、まともな考えの人なら無駄だと言うだろう」と指摘した。
 井上氏は当初、迷彩服姿の自衛官を見て「何事かと思ったら防災訓練だった。軍事訓練と防災訓練で服装を変えることは必要だ」と訴えた。しかし市長の答弁後「そういう理屈もあると、ちょっと納得している」と述べた。
 自衛官の迷彩服着用を巡っては「まちなかで迷彩服は見たくない」という新聞投稿を引用。「公務外は迷彩服を着用しないでほしいと市から要望してほしい」と求めた。
 中山市長は、服装規定で自衛官が常時迷彩服の着用を求められていることを挙げ「自衛隊員であることで、家族が何らかの危害を加えられる恐れがある場合に私服を認めるということなので(石垣市では)私服着用を要望する必要はない」と拒否。翁長致純総務部長は「通勤時に事故等の災害にあった場合は公務災害の補償の対象となるため、通勤時も制服を着用していると考えられる」と述べた。
 井上氏は自衛隊が石垣島まつりの市民大パレードに参加し、迷彩服で行進したことについて「戦前のようで寒気がしたという人がいた」と発言。次回から参加させないよう要請した。中山市長は「自衛隊は日本の安全を守っている国の組織なので、パレード参加は問題ない」と一蹴した。
 井上氏は「軍事力で平和は作れない。相手に恐怖を与えるのではなく安心を供与する外交こそ大切だ。憲法9条を生かした外交をやっていくべきだ」と防衛力強化に疑問を呈した。

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