与那国町は、糸数健一町長が2021年の就任後、2年間で国、県、国会議員に計25回の要請を行ったことを公表した。与那国町議会12月定例会で町側が町議に資料を配布した。
糸数氏は町長当選4カ月後の2021年12月、菅義偉元首相に与那国町の振興開発を要請。その後、国に対し台湾有事をにらんだ避難シェルターや複合庁舎整備に伴う避難施設整備、漁協施設、救急体制、観光地、診療所などの各種整備などを要請した。
今年11月に自見英子沖縄担当相に求めた避難シェルターの設置要請時には、祖納地区で町役場も入る複合庁舎地下駐車場を有事に避難場所として活用する案、久部良、比川地区は、消防団の各詰所地下に避難施設を建設する案を説明した。久部良地区では代替案として、漁協の改築に合わせ地下施設を建設する案もある。
木原稔防衛相にも同様の要請を行い、防衛省は今年度と来年度に調査費として計200万円を補助する方針を決めた。与那国町はコミュニティ併用施設整備事業と位置付けて調査を行う。町議会12月定例会では補正予算が可決された。
台湾との交流では、町は姉妹都市である花蓮市との定期航路開設を目指し、今年6月に内閣府沖縄振興局に要請したが、担当者は「条約上、定期航路の開設は難しい」との認識を示した。
鈴木淳司総務相(当時)に対しては今年11月、救急車や消防車、各集落に消防団の詰所導入を要請した。