八重山家畜市場で13日、2024年の初セリが行われた。子牛291頭と成牛67頭の計358頭が競売にかけられ、売上総額は1億6234万200円。子牛の総平均価格は51万2524円(前年比7万1792円減)と厳しいスタートとなった。最高価格は125万5100円だった。
JAおきなわの集計によると、昨年の同市場での平均価格は前年比11万5110円安と大暴落。2022年夏以降、飼料価格高騰などによる営農状況の悪化が続いている。
JAおきなわ代表理事専務の安谷屋行正氏は、セリ前のセレモニーで「世界的な物価高の影響はますます大きくなった。JA独自の支援策を打ち出し、農家に寄り添いながら経営を助けていきたい」と強調。
中山義隆市長も、市場が厳しい状況にあると前置きした上で「和牛に求められる良好な肉質をアピールし、八重山圏域の牛が評価されるよう衛生環境の改善など産地形成を進めていく」と意欲を示した。
中山市長ら八重山三市町の首長と安谷屋専務、県農林水産部の前門尚美部長は清め式や乾杯を執り行い、一年の繁盛を祈った。
与那国町の糸数健一町長は、乾杯のあいさつで「年始の能登地震の復興を支援するには、購買者の皆さんが積極的に(入札)ボタンを押して、経済を動かしてもらうしかない」と力強く呼び掛けた。
初セリは黒島市場でもあり、合計売上は7835万6300円で、総平均価格は10万円以上減となる42万5849円と、八重山と同様に下落した。最高価格は128万2600円。
八重山では14日午前9時から、新たに子牛412頭が出品される予定。