25年度供用開始へ作業進む CIQ施設、工事請負契約可決 石垣市議会

クルーズターミナル建設工事請負契約を可決した石垣市議会の臨時会=8日午前

 石垣市議会(我喜屋隆次議長)の臨時会が8日開かれ、海外クルーズ船乗客のCIQ(税関、出入国、検疫)手続きを行うクルーズターミナル新築工事2工区の工事請負契約を賛成多数で可決した。建設予定地のクルーズ船岸壁周辺では1工区の基礎工事が始まっており、2工区は柱の設置工事となる。市は新年度で3工区の建物本体建設に着手する方針で、2025年度の供用開始を目指して作業を進める。

 現在、海外クルーズ船乗客のCIQ手続きは、関係機関の職員がクルーズ船に乗り込んで行っている。20万㌧級のクルーズ船が寄港した場合、乗客数は約5000人に上るため、業務円滑化に向け専用施設の整備が求められている。
 CIQ施設となるクルーズターミナルは延べ床面積4605平方㍍の2階建て。約5000人の手続きを2時間から2時間半ほどで行うと想定し、1階は検疫、入国審査、税関、エントランス、2階は機械設備の空間とする。
 建物は工場で製作した資材を現地に運んで設置するプレキャストプレストレスト構造で、屋根は軽量の膜屋根。昨年の12月議会で1工区の基礎工事や電気設備工事の請負契約が可決されていた。
 2工区は指名競争入札で砂盛建設株式会社(石垣市新栄町)が受注し、契約金額は3億800万円。
 市は3月議会に上程する当初予算案に建物本体の建設工事費約12~13億円を盛り込む方針で、財源は一括交付金と起債を予定している。財源の内訳は今後内部で調整する。
 予算案が可決されれば6月ごろには3工区として建設工事に着手する見込みで、25年3月の完成、4月の供用開始を目指す。
 市によると2工区の工事費の財源は一括交付金8割、起債2割で、一括交付金は22年度予算の繰り越し分も含む。一括交付金の繰り越しは国の承認を得る必要があるが、2工区の工事も年度をまたぐことが確実。臨時議会で下地敏之港湾課長は「繰り越し申請中で、3月には可否の判断が出る」と説明した。
 野党の花谷史郎氏は、一括交付金の繰り越しが認められない場合、市が単独予算で整備を進めざるを得なくなる可能性を危ぐ。「市民負担がどの程度になるか分からず、先の見えない状況で予算を認めることはできない」と批判した。
 採決では与党、野党、中立の16人が賛成、野党の4人が反対した。野党1人が欠席した。

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