石垣市磯辺で10日、新たに97歳(カジマヤー)を迎えた豊見山キクさんの生年祝いパレードが行われた。沖縄本島や内地から駆け付けた親族や地域住民に見守られながら、軽トラックの荷台に乗って地区内を一周。「こんなに祝ってもらえて有難い」とうれし涙を浮かべた。
1928年、宮古島の平良市(現宮古島市)荷川取に生まれ、21歳の頃に移住。石垣で出会った夫・要(ひろし)さん(故人)と結婚し、子供5人、30人以上の孫、ひ孫に恵まれた。
パレードでは、最愛の家族とともに磯辺一帯を回り、手を振りながら歓声に応えた。近隣の企業の従業員も風車を手に総出で拍手を送り、キクさんの人望の厚さをうかがわせた。
ひ孫の上地佑佳さん(13)=港川中1年=は「電話するといつも笑っている。習い事で空手をしていると言うと『上手になってるはずねー』と励ましてくれた。おばあがカジマヤーを迎えてうれしい」と笑顔を見せた。
キクさんは、創業60年を迎えた自身の豆腐店「豊見山豆腐店」で、間もなく100歳を迎える現在も、息子の修司さん(67)とともに店を切り盛りしている。親族の皆さんは、キクさんを「太陽のような存在」と尊敬する。
電子機器を使いこなし、日常会話に流行りの言葉を取り入れるなど、元気に過ごすキクさん。「趣味のカラオケが長寿の秘訣。100歳まで生きたい」と意気込んだ。
磯辺公民館によると、地区内で初めてカジマヤーを迎えた住民だという。前泊助昌館長は「大変喜ばしいことだ。お祝い事を機に、今後も磯辺がどんどん発展することを祈る」と語った。