10日に西表島で開催された第29回竹富町やまねこマラソン大会で、国の特別天然記念物イリオモテヤマネコのロードキル防止を呼び掛ける特別ゼッケンがお目見えした。西表野生生物保護センターの職員とマスコットキャラクター「まーや」がレース前、スタート地点の上原小学校で限定500枚をランナーに配り、記念撮影にも応じた。
同センターは、多くの選手が来島する今大会に注目。路上でヤマネコを見かけた際、位置情報を投稿できる特別サイトのQRコードが付いたゼッケンをランナーに配った。
ランナーは大会公式のゼッケンに加え、センターのゼッケンも付けて走る事でヤマネコの保護とロードキル防止を呼び掛けた。
環境省職員の内野祐弥さん(元西表島の保護官)は「特に本土から参加したランナーは交通事故に遭っている事実を知らない人が多いと思う。行政の呼び掛けに協力してもらい、ロードキル防止を周知したい」とゼッケンの配布理由を説明。
豊見城市から参加したランナーの西田清紀さん(36)=会社員=は「センターの活動に共感してゼッケンをもらった。大会で呼びかけるのは素晴らしい」と話した。
イリオモテヤマネコは、2007年に環境省レッドリストで絶滅危惧種IA類に指定された最も絶滅の恐れが高い西表島にのみ生息する固有種。2008年の調査結果では生息数は約100頭。西表島の道路上で車にひかれ死ぬ「ロードキル」の被害を受けるが、今年度は確認されていない。