石垣市の中山義隆市長は市議会3月定例会初日の26日、2024年度施政方針演説をした。石垣―台湾基隆定期フェリー就航実現に向け「新法人の設立から航路開設までサポートする体制を整え、早期の定期航路開設に向け、一気呵成(いっきかせい)に進めていく」と意欲を示した。災害時や有事の避難先に活用できる職員駐車場を今後整備が進む市役所隣の防災公園地下で26年度に整備すると明らかにした。事実上のシェルターとなる。
石垣―基隆定期航路実現を中心とする台湾との交流推進で「新しい経済システムの確立」を目指す。コロナ後の本格的な経済回復、企業誘致などによる新たな経済成長軌道を切り拓く。
防災公園地下の職員駐車場は24年度に設計業務に着手し、26年度完成に向け手続きを進める。駐車場以外にも活用できるイベントスペースも検討する。
有事や災害時に市民、観光客の島外避難、物資輸送の拠点となる空港は「現在の滑走路の長さや駐機スペースでは十分ではない」と指摘。「滑走路の延長やエプロンの拡張など、空港施設の機能強化の実現に向け、その必要性を国、県に訴えていく」と強調した。
国民保護計画に関する取り組みでは、昨今の情勢を踏まえた計画の変更と、訓練を踏まえた避難実施要領パターンの追加更新を行う。
ふるさと納税や地域創生の取り組み強化を図るため、企画政策課から業務を独立させ「ふるさと創生課」を新設する。尖閣諸島問題に対応する部署となる「尖閣諸島対策室」を企画部に新設し、取り組みを強化する。
これまで個々に取り組んできた母子保健と児童福祉の相談支援業務を一体的に行う「こども家庭センター」を新設する。新八重山博物館の整備を前進させるため、観光文化課に「博物館建設準備室」を置く。
狩猟者研修センター整備に向け、地域説明会を行いながら実施設計を進め、財源確保に努める。
美崎町再開発の全体ビジョンを示す「美崎町まちづくり方針」を24年度に策定する。
北部地区で、子育て支援施設となるこども園の建設工事に着手する。