竹富町民に公用車貸し出し 離島から到着後の使用想定 石垣庁舎

運転免許を後部のカードリーダーにかざすと車の施錠と開錠が可能=28日、竹富町役場

 竹富町は3月から町民限定で公用車のカーシェアリングサービスを開始する。県内で自動車のリース事業を行う株式会社りゅうにちホールディングス(仲井間宗仁社長)から日産の電気自動車(EV)サクラを2台導入。平日は公用車として活用しつつ、配車管理をオンラインで行う「シトラスカーシェア」のサービスで、石垣庁舎の駐車場を拠点に町民も利用できるようにする。

 カーシェアリングは、りゅうにちが事業主体。町はサクラを公用車として使いつつ、空き時間に町民に貸し出す。リース代は同社に支払われ、町が収益を得るサービスではない。同社による同様のサービスは県内自治体では名護市に次いで2例目となる。
 町民は事前に運転免許証やクレジットカード番号を登録することで平日・休日問わず利用可能になる。「シトラス」のアプリケーションかウェブサイト上で、車両予約ができる。
 予定した時刻に石垣庁舎の駐車場に行き、電源ケーブルを抜き、車両のリアガラス右上にあるICカードリーダーに運転免許証をかざして開錠。運転席の中央下部に指してあるキーを「返却」から「貸出」に回し、エンジンスタートボタンを押すと車両が起動する。
 返却場所は石垣庁舎の駐車場のみ。返却時はキーを「貸出」から「返却」に回し、電源も切る。電源ケーブルを車両に差し込み、リアガラスのカードリーダーに運転免許証をかざし施錠する。
 町は、離島から石垣島に来島した町民が、一時的に車両を必要とする場合の活用を想定している。
 基本料金は1時間ごとに500円、5時間経過後は15分ごとに同額が、それぞれ加算される。
 サクラは1回の充電で180㌔ほど走行できるが、夏場にエアコンを使用した場合、より多くの電気を消費するため、走行可能距離が短くなる場合があるという。
 事故やバッテリーが切れた場合などの車両トラブルは町役場ではなく24時間対応のコールセンターで受け付ける。町は今後、広報誌などで利用を呼び掛ける予定。
 町総務課の西里亮太朗主任は「町民が石垣市の中心部で買い物を行う場合などに使用してほしい」と期待した。

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