航空自衛隊は28日、大型輸送機C2を新石垣空港に派遣し、陸上自衛隊石垣駐屯地に配備していた地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の一部を石垣島から撤去した。弾頭(ミサイル)と見られる装備品を積んだ車両を搭載したC2が午後7時前に空港から離陸した。
国は北朝鮮が人工衛星と主張する事実上の弾道ミサイル発射に備えるため、昨年4月に破壊措置準備命令を出し、石垣島や与那国島、宮古島にPAC3と運用部隊を派遣していた。
部隊は南ぬ浜新港地区や石垣駐屯地に展開し、北朝鮮の発射に備えてきたが、運用数を減らす方針に従い一部の撤収を開始した。
C2は28日午後5時前に空港に着陸。これまでも自衛隊機が複数回使用してきた予備の駐機場で停止した。民間機とは違い、後部を南側に向けてドアを開き、弾薬を意味する「火」のマークがついた車両を搭載。運用部隊の隊員10人程度も乗り込み、石垣島を離れた。
今後、自衛隊は方針に従い、石垣島に派遣している隊員や弾薬数を削減すると見られる。ただ、韓国の国防相は北朝鮮が来月末にも追加で打ち上げる可能性を指摘している。
石垣市は12日、国民保護を図るため、近隣国の弾道ミサイル発射を想定した住民の避難訓練や図上訓練を行っている。