米艦船、11日石垣寄港へ 沖合停泊か、県警が警備 有事備え同盟アピールか

機動隊が使用する沖縄県警の大型バス1台が石垣港に到着した=7日午後、石垣港

 在日米海軍第7艦隊所属のミサイル駆逐艦「ラファエル・ペラルタ」(排水量約9500㌧、全長155・3㍍、乗員約300人)が11日から石垣島に寄港する方向で最終調整していることが7日分かった。市はクルーズ船岸壁の使用は困難としており、沖合に停泊すると見られる。米軍は2月上旬、日米地位協定に基づき今月11~14日に同艦を石垣港に寄港させると通告しており、停泊はこの期間になる可能性が高い。

 石垣市は同艦の寄港について、7日までに正式な通知を受けていないとしている。
 米側としては台湾有事を見据え、台湾に近い先島諸島で強固な日米同盟をアピールし、中国の軍事行動を抑止する意図がありそうだ。「ラファエル」は過去に石垣港に入港した米艦船の中では最大級で、敵地攻撃も可能な巡航ミサイル「トマホーク」などを搭載。米軍の即応体制を誇示する機会にもなる。
 同艦の入港に伴う警備のため、県警は機動隊が使用する大型バス1台を同日午後までに民間船で石垣港に搬入した。機動隊が待機するために使用する。
 県警は昨年9月に米艦船が入港した際と同様の抗議活動が起こる可能性を警戒していると見られる。バス配置の理由を問われた担当者は「不測の事態も考慮し注視する」と話した。
 同艦が石垣島に寄港した場合、全日本港湾労働組合(全港湾)沖縄地方本部は沖合停泊であっても、石垣港と沖縄本島の港湾で抗議の全面ストライキに突入する構え。期間は同艦の停泊期間中としており、県内全域で物流が止まる恐れがある。
 同艦は吃水(きっすい)が石垣港クルーズ岸壁より深く、市は石垣海上保安部を通じて米軍に接岸は困難と伝えた。また、13日にはクルーズ船の寄港が予定されており、同艦の寄港予定と重なることにも難色を示した。
 同鑑が沖合に停泊した場合、乗組員はボートなどで石垣島に上陸する可能性がある。
 石垣市議会では革新系の野党が4日、同艦の石垣寄港に反対する決議案を提出したが、賛成少数で否決された。
 米海軍の艦船は、昨年9月に第7艦隊所属の掃海艦「パイオニア」(1380㌧)が石垣に入港。南ぬ浜地区新港クルーズバースに接岸し、艦長や乗組員らが上陸した。

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